2024/4/9
おしらせ
【インタビュー記事】学びの第一歩を踏み出せる三重大学のリカレント教育プログラム!
◆記事概要
三重大学リカレント教育センターでは、2023年度にレディーメイド型リカレント教育プログラムである「DXによる中小企業の事業再構築・新事業創出を担える人材の育成プログラム」と「地域の製造業の生産性向上・経営革新を担えるDX推進人材の育成プログラム」を実施しました。
このプログラムでは、約半年間でデジタル化に必要な基礎的な知識とスキルに加え、プロジェクトマネジメント能力を併せ持った人材を養成するためのプログラムを提供しています。
今回は、プログラム修了後に受講生のうち2名からお話を伺いました。
インタビューご協力者
・株式会社丸八テント商会 佐藤 水紀 様
・株式会社ミエデン 恩田 貴正 様
◆リカレント教育を受講する前に感じていた課題があれば教えてください
佐藤:
DXに関して言うと、頑張って取り組んでいかなければいけないと理解していても、敷居が高いと感じていたことです。
Instagram、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSは身近にありますが、データを分析して経営に活かすことは未知の世界でした。
また、DX以外のことですと、社会人になってからも学び続ける必要があることです。
いち社会人、いち経営者として成長し、生き抜いていくためには学び続けなければいけないと感じてプログラムに参加しました。
恩田:
私は2023年7月に経営企画部へ部署異動となり、右も左も分からない状況の中で、会社の経営状況の分析や、新サービス企画などを担当することになりました。
業務を行っていく中で私が持っているスキルと会社が求めているスキルが異なっているように感じており、業務に応じたスキルの取得を課題としてとらえていました。
私が今まで仕事で使っていたスキルは、お客様との関わりの中で使っていたものでしたが、今度は急にお客様との関わりが少なくなり、社内での仕事が多くなりました。
そのため、今までのスキルがなかなか使えない状況で、スキル不足は課題として大きかったです。
◆リカレント教育を通して学んだことを教えてください
佐藤:
データスキル関係の内容に関する学びはもちろんありますが、やはりチームで一つ成果物を作るという部分は大きな学びでした。
DXは人間くささから離れるのかな、と思っていましたが、実際には人の部分が大切だということを学べたと思います。
正直なところ、受講前はオンライン会議は人の血が通わない冷たい意思疎通が図りにくいものと思っていました。
しかし、毎週のオンライン会議で、皆で協力して成果発表に向けて取り組む中で、オンラインでも人の心は通じ、ホットに信頼関係が築けることを実感しました。
それだけでなく、「皆で1つ良いものを提案するんだ」という思いで進め、まだ足りないと感じて一生懸命考え、より良いものを作り、やり抜く気持ちというのは大きな学びだったと思います。
恩田:
様々な分野を学んできましたが、印象として大きかったものは2つあります。
1つ目は、PowerBI(Microsoftのビジネスインテリジェンスツール)を活用したスキル講座です。
今まであまり手を出せていなかったデータ分析を一から学べました。
最初に「こういうツールを使って、こういうデータの集め方をして、こういう風にアウトプットするんだ」といった一連の流れを体系的に学んだことで、自分の業務に活かせるようになったと思います。
リカレント教育で学んだことを元に、自分の業務の中で社員数や売上など、様々なデータを取り込み、経営状況を可視化して、上層部に「こんなのできたんです」って見せると、とても評判が良く、PowerBIを活用したデータ分析を通して、当社でも活用できるデータ分析の実践力はすごく得られたなと思います。
2つ目はPythonの知識ですね。
今までプログラミングのプの字も知らなかったようなプログラミングの初心者なんですよ。
Pythonの知識も一からある程度のところまで通して学ぶことによって、自己学習するきっかけを得られたと思います。
何もない状態だと、とっつきにくいっていうのがすごくあると思うのですが、今回の講座を通して、Pythonを使えばこういうことができるんだから、ネットで調べながらやっていけば自分でもこういうものが作れるのかな、といったことを考えられるようになりました。
例えば、会議の受付管理を社内で行う際に、あるシステムを使って受付管理を行っていましたが、単調な操作の繰り返しが多かったので、それをRPA(Robotic Process Automation)で自動化することができるのではないかと考えることにつながりました。
実際に作ったわけではないですが、頑張れば自分でもできるかもってその可能性を見出せました。
写真:IoT演習でRaspberry Pi(プログラミング学習端末)の操作を学んでいる講座の様子
◆リカレント教育に参加してよかったと感じる点を教えてください
佐藤:
他の受講生の方とチームで学ぶことができた点はとてもよかったと思います。
皆さんバックグラウンドが違いますし、全員が強みを持っていることも話していくうちに分かってきたので、「じゃあ〇〇さんはこういうのが強いからこの部分やろうか」と意見を出し合いながら進められたのはよかったと思います。
弱みを補っていくことも大事だとは思いますが、そうではなくて、各々の強みをどんどん出していく。
新商品を開発するアイディア出しが得意な人、データの分析が得意な人、市場調査だったり、色々な声を聞ける部分が強い人と、メンバー同士、活かし合いながら、最終成果物を完成させました。
やはり一人だとこういった経験は絶対できませんでしたし、皆で力を合わせてやり抜くことで、本当に厚みと視野が広がっていくと感じました。
そして、ワークだけでなく、メンバーとプライベートなことも話しながら進められ、信頼関係も築けました。
得られた仲間は、今回の一番の財産です。
画像:グループミーティングの様子
恩田:
自分が一番よかったと思うのは、社会人になっても自己学習することの意欲が増したことですね。
DXに関することとか、プログラミングに関することとか、全てのことに対してもっとこういう知識を得てみようかと考えて行動に移せるようになりました。
DXに必要な推進力も手に入れられたかなと思います。
あとは、他の受講生の皆さんと一緒に学ぶというところも良かったですね。
地域の皆さんがこんなに頑張っているんだなって感じたことで、自分もどんどんスキルアップしていかないといけないという姿勢みたいなところが醸成されたと思っています。
◆講座やサポートでよかった点があれば教えてください
佐藤:
たくさんの情報提供や学びを用意していただけただけでなく、学ぶための環境を整えてくださったところですね。
質問やちょっとした分からないことがあった際は、すぐにご対応、ご返答を頂け、サポート体制がとても手厚くきめ細やかだったのが、ありがたかったです。
密に連絡を取り合い、聞ける環境があったのは、大変大きいです。
恩田:
実は、個人的に三重大学さんの取り組みをインターネットで調べて見たことがあって、それを見た時に、会社抜きにして受けてみたいなっていう思いがあって、それぐらい内容がすごく魅力的な講座だと受講前から思っていました。
サポートに関しては、三重大学さんも株式会社EBILABさんも丁寧に且つ気を遣って積極的に案内を流していただいたり、リマインドもしていただいていたところは良かったと思います。
あとは、Forms(Microsoftのオンラインフォーム)で回答した後にPowerAutomate(Microsoftのワークフローオートメーションツール)を使った通知もされていたので、講座で学ぶツールをこうやって活用するんだ、といったイメージができた部分も良かったですね。
◆学んだ内容は今後活用できそうですか?また、今後の自身の更なる学びにつながりそうですか?
佐藤:
自分の中でDXに対する敷居が低くなったというか、身近に感じるようになったことで自分から色々と調べてみるようになりましたね。
最近はちょっとアンテナを張って面白そうなアプリや仕事で使えそうなデジタルツールを探して使っています。
ペーパーレスのためにデジタル名刺を作ってみたりもしました。
会社でも、チャットGPTミニ講座を開いたりもしています。
講座を通して学んだことで、未知の世界だったものが自分でもできることだとわかって、様々なアプリの利用やデジタル名刺、ミニ講座開催などに繋がったと思っています。
また、今後の活用について、製造業の技術継承の話ですが、職人さんの高齢化が進んでいくなかで、その勘や人の技術に頼ってばかりというわけにもいかなくなっていきます。
仕事をするにあたって技術をIT化、DX化していく必要はあると思っており、その点は課題が残っていますので、取り組んでいきたいと思っています。
恩田:
一番明確に知識を活かそうとしているのは、PowerBIを使った部分ですね。
PowerBIをフル活用して経営ダッシュボードを作るということを個人的な目標にしています。
そのためには、周囲がPowerBIを見る力も必要になってくると思い、まずは自分の部内のメンバーに、「PowerBIって、こんなもので、こうやって操作するんだよ。」「こんな風に作っていくとこんなこともできるんだよ。」ということを紹介したところ、みんなから、「面白いやん」っていう声は出てきましたね。
一年前に受講していた社員もPowerBIを活用しているので、社内でPowerBIを広める活動をしようか?といった話もしています。
◆所属企業等の他の方に次年度受講を勧めたいと感じますか
佐藤:
是非勧めたいですね。
私たちの学びにこれだけの自社データを含めた様々な情報や考え方をご提示していただいた株式会社EBILABさんの懐の深さや、三重大学さんの環境づくりには感謝しています。ありがとうございました。
励まし合える仲間もいますし、自ら挑戦し、貪欲に吸収する気持ちさえあれば最後まで有意義な時間を過ごせると思います。
デジタルの最先端のことからアナログな人の部分に関することなどまで、本当に内容が濃い、多岐にわたる内容を学ばせていただけるので、この講座に飛び込むか迷っている暇はないと思います。
恩田:
それはもう全力で勧めたいと思っています。
逆にそうですね、ちょっと違うようなプログラムが出たら、私が受けたいんで、枠が埋まらないように逆に紹介しないかもしれないっていうのはあるかもしれないです。(笑)
でも本当にこの講座の有用性と言いますか、有効性というのは、本当自信を持って、すべての人にお勧めしたいなと思っています。
具体的には、入社して間もない人というよりは、入社後にある程度年月が経っている私のような中間の世代やもっと上の人に受けてほしいと思っています。
今回で言うと経営者の方も受講されていましたが、そういう方も受けて良いようなレベルかなと思います。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
◆参考
上記にて参加いただいたDXに関するリカレント教育プログラムについて、今年度も実施することとなっています。是非、「事前のお知らせ」について併せてご覧ください。